りんごの栄養と健康効果

海外でのりんごの研究成果

前項でもフィンランドやイギリスでのりんごの効果についてご紹介しましたが、海外での研究はまだまだあります。


オランダのズッフェンという地域住民に対して25年間にわたって疫学調査が行われました。これは気管支ぜん息、慢性気管支炎、肺気種を含む慢性非特異的肺疾患と食生活についての疫学調査です。ここでの主因は喫煙なのですが、アレルギーも悪化させる因子となっています。


りんごや梨を1日に70g以上摂取しているグループと、14g以下しか摂取していないグループで比較すると罹病リスクが何と37%も減ったということです。こうした疫学調査からみて、実はポリフェノール以外でもりんご特有の成分予防効果がある可能性が考えられ、注目したのはりんごペクチンでした。


そこでヒト介入研究を行ったのです。内容は健康な被験者(14名)に3週間にわたってリンゴペクチン顆粒を1日8.3グラム摂取してもらうというものです。そうすると摂取後の11名についてヒスタミン濃度が下がったそうです。


りんご自体は果物の中でもビタミンCが多い方ではないのですが、ヒト介入研究の結果ではビタミンC含量がりんご摂取前よりも増加しているのです。つまり、りんごにはビタミンCを体内に効率よく取り込む成分が含まれていると考えられています。


こうして血液中のビタミンC濃度の高いグループになればガン死亡率が62%低くなるそうです。中性脂肪が低下したという報告もあります。従って、果物の果糖は中性脂肪を増やす、と言うのは誤解なのかもしれません。